皮膚科よりお役立ち情報

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季節と皮膚の病気~冬に多い皮膚病

冷え症の女性のイラスト

冬の皮膚病の悪化要因は、皮膚の乾燥と冷え(寒)です。
東洋医学で「血虚」*という体質を表す概念がありますが、「血虚」と冬の皮膚病は密接な関係があります。
体の「血虚」があるとより皮膚の乾燥と冷えをきたしやすくなり、また冷えと乾燥は「血虚」をより促進するためです。

*「血虚」=漢方の概念で、血液などの体の構成成分を「血」(けつ)といい、「血」が不足した状態を「血虚」と言います。

「血虚」による症状・・・循環が悪くなり体に充分栄養が行き渡らないため、皮膚の乾燥、爪がもろくなる、貧血傾向、目のかすみ、不眠などの症状を起こします。

「血虚」をおこしやすい人

  • 体力のない人
  • 栄養を取る力の弱い胃腸の弱い人
  • 毎月生理により血液を失う女性
  • お年寄り

血虚〜乾燥〜冷え 1.皮脂欠乏性湿疹(皮膚の乾燥とかゆみ) 2.貨幣状湿疹(①を掻きこわし丸い湿疹に) 3.自家感作性皮膚炎(さらに掻きこわし全身に拡大) 4.乾燥によるアトピー性皮膚炎の悪化 5.乾燥による主婦湿疹の悪化 6.凍瘡(しもやけ) 7.乾燥で悪化するにきび

東洋医学では、「血」の不足を補う「補血剤」と呼ばれる一連の薬があります。これに対し西洋薬は、「血」の不足を補う薬はありません。また、東洋医学では冷えを温める「温補剤」がありますが、これも西洋薬にはありません。従って、冬は漢方が皮膚病に対して最も効果を発揮する季節と言えるでしょう。

「血」の不足を補う「補血剤」を含む漢方薬と有効な症状

  • 当帰飲子・・・高齢者の痒みを伴う乾燥性湿疹
  • 温清飲・・・乾燥と赤みを伴う湿疹
  • 温経湯・・・乾燥で悪化するにきびや主婦湿疹
  • 当帰芍薬散・・・血虚とむくみのある人
  • 十全大補湯・・・血虚があり体力が低下した人
  • 補中益気湯・・・血虚があり胃腸虚弱な人

冷えを温める「温補剤」を含む漢方薬と有効な症状

  • 当帰四逆加呉茱萸生姜湯・・・しもやけや冷えによる痛み
  • 真武湯・・・全身の冷えと代謝の低下
  • 人参湯・・・胃腸を中心とした冷え

生活の知恵

1) 冷え対策と体温調節
人間の体でも冷気は下に、熱は上に昇りやすいため、特に下半身を冷やさないように注意してください。
また、胃腸を冷やさないように特に冬は温性食品(体を温める食品:人参・大根・かぶなどの根菜類、にんにく・生姜・山椒などの香辛料、もち米、黒砂糖、クリ、胡桃など)を取るようにします。

2) 乾燥対策としては、ゆっくりと入浴した後にヒルドイドなどの保湿剤を塗る保湿ケアを重点的に行って下さい。保湿剤は皮膚科で健康保険を使い処方できます。
また、前述したように漢方では飲み薬で乾燥を防ぐ補血剤、冷えを防ぐ温補剤がありますので、乾燥や冷えのひどい方には有効な助けとなります。

ヨガでストレスを解消する女性のイラスト

3) 皮膚は乾燥により少しの刺激にも過敏に反応するようになります。またストレスは皮膚の過敏性を増強させます。仕事が多忙になる年末にかけて、上の図の様に①皮脂欠乏性湿疹(皮膚の乾燥とかゆみ)→②貨幣状湿疹(①を掻きこわし丸い湿疹に)→③自家感作性皮膚炎(さらにかきこわし全身に拡大)となり皮膚科に駆け込んで来る方もおられます。
冷えや乾燥に加えてストレスコントロールに注意し、冬を乗り切っていきましょう。

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