皮膚科よりお役立ち情報

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季節と皮膚の病気~夏に多い皮膚病

四季の変化に富んだ日本。
皮膚科の診療をしていると、受診する患者さんの変化によって季節の移り変わりを実感します。
夏に多い皮膚病と年齢による特徴、生活の注意点を解説していきます。
夏のキーワードは暑さと湿気、汗、紫外線、野外活動で、次の様な皮膚病を引き起こします。

熱さと湿気、疲労による皮膚炎の説明図 暑さと湿気感染症(とびひ、水虫) アトピー性皮膚炎の悪化 金属皮膚炎 異汗性湿疹、日光過敏症 単純ヘルペス、虫刺され、帯状疱疹、じんましん

子供に多い皮膚病

アトピー性皮膚炎で体がかゆい子どものイラストアトピー体質の皮膚の弱いお子さんは汗で湿疹ができると皮膚の防御機能が低下します。この状態で、学校行事や野外活動で急に過度の紫外線にあたったり虫に刺されたり疲れると、単純ヘルペス虫刺されの悪化、細菌感染によるとびひを起こしやすくなり、ひどい場合はこれらすべてを同時におこして受診される方もいます。
予防は適切なケア(飲み薬やつけ藥)によるアトピー状態の改善と体力の温存です。

成人に多い皮膚病

金属アレルギーの女性のイラスト異汗性湿疹:気温変化やストレスにより自律神経が乱れると、汗腺の多い手のひらや足の裏に痒い水疱ができたり皮がむけたりします。勉強が忙しい小学校高学年から増え始めますが責任世代に多い皮膚病です。

金属皮膚炎:金属は汗と接触するとイオン化し、金属アレルギーのある人にかぶれを起こします。アクセサリー、ベルトのバックル、時計、ゴルフ用手袋やハンドルなど革製品(革製品に金属が含まれるため)が原因となります。

汗によるアトピー性皮膚炎の悪化や紫外線による単純ヘルペスも多く見られます。

高齢者に多い皮膚病

帯状疱疹の高齢者のイラスト帯状疱疹は、昔かかった水ぼうそうの原因である水痘・帯状疱疹ウイルスが体に残り疲労により再活性化し、片側の神経に沿った痛みと発疹を引き起こします。50歳台以上に多く発症し夏に多いことが知られています。後遺症の神経痛予防のためにも、出来るだけ早期の治療が原則です。

日光過敏症の一部には薬剤によるものがあります。高血圧症の治療に使用する利尿剤による光線過敏症型薬疹は高齢者に多く見られます。

じんましんは夏には全年齢層を通じて多く見られます。気温差からくる風邪や、食べ物を消化する能力の低下が誘引となるようです。

生活の注意

  1. 暑さと湿気対策には衣類が重要です。吸湿性、通気性に優れたものが望ましいため、直接肌に触れる下着は綿、上着は麻がお勧めです。
  2. アトピー体質の方は、抗アレルギー剤や塗り薬を使って適切なケアを行い、皮膚の防御機能を正常に保つようにしてください。
  3. 過度の紫外線を急に浴びないよう注意してください。単純ヘルペスは遠足や海水浴などで急に紫外線を浴びた後大体3日後に発症します。ヘルペスを起こしやすい人はあらかじめ皮膚科で特効薬を処方してもらい家に置いておく様お勧めします。
  4. 虫刺され対策には、皮膚を覆う衣類のほか虫除けスプレーがあります。市販の多くの製品にはディートという化学物質がが含まれ有効ですが、6ヶ月以下の乳児は使用禁止で、2歳以下の小児は1日1回以下の制限があります。市販のハッカ油を使った虫除けスプレーの処方をご紹介します。爽やかな香りでお子さんにも安全ですが、アルコールやハッカ油にアレルギーの方は使用しないでください。
    【材料】
    ①ハッカ油(ドラッグストアで市販されています) 20滴
    ②消毒用アルコール 30cc
    ③新鮮な水道水 70cc
    【作り方】
    スプレー容器にまず②を入れ①を滴下してよく溶かす。
    ③を加えてよく溶かす。
  5. 夏とはいえ、急激な気温変化や冷房で寒気にさらされると風邪を引きやすくなります。風邪による免疫の変調+疲労は、帯状疱疹じんましんの原因として大変多いものだと感じます。ストールなどによるこまめな体温調節と、ゾクッとしたらすぐの葛根湯内服が、私のカゼ撃退法です。
  6. 暑さと湿気からくる疲労は、夏に多い皮膚病の悪化因子となります。体温を超える猛暑も珍しくない昨今ですが、体調管理に気をつけて、異常があれば早めにご相談ください。

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